「最近、家の外壁に緑っぽい汚れが増えてきた…」
そんなふうに感じたことはありませんか？
その正体は、苔（こけ）や藻（も）かもしれません。見た目が悪くなるだけでなく、放っておくと外壁の劣化を早めてしまうこともあるため、注意が必要です。

特に築10年以上の住宅では、こうした汚れが目立ち始めるケースが多く、対策を知らずに困ってしまう方も少なくありません。この記事では、外壁に苔が増える原因と、家を長持ちさせるためのメンテナンス方法について、わかりやすく解説していきます。

1：なぜ外壁に苔が生えるの？主な4つの原因とは

外壁に苔が生えてしまうのは、いくつかの環境的な条件が重なっていることが多いです。ここでは、よく見られる4つの原因をご紹介します。

1. 日当たりの悪さ

もっとも大きな原因のひとつが「日当たりの悪さ」です。家の北側や、隣家との距離が近い場所、植木などで影ができやすい場所は、太陽の光が当たりにくくなります。太陽光が届かないと、外壁が乾きにくくなり、湿気がたまりやすくなります。

この湿気が、苔や藻が好む環境を作り出してしまうのです。

2. 風通しの悪さ

風通しが悪いと、外壁の水分が蒸発しにくく、常にジメジメした状態が続いてしまいます。特に、建物の構造や立地によって空気の流れが滞っている場所では、苔の繁殖が進みやすくなります。

3. 外壁の経年劣化

築年数が経つと、外壁の表面を守っている塗膜（とまく）が劣化してきます。この塗膜がはがれることで、水分を吸収しやすくなり、苔がつきやすくなるのです。
塗装から10年以上経過している場合は、こうした劣化が原因になっていることもあります。

4. 雨だれや水はけの悪さ

雨が流れやすい場所や、雨どいの下などは、水分がたまりやすくなります。また、。水がうまく排水されない構造になっていると、そこから苔が生えることがあります。外壁の一部分だけが緑っぽくなっている場合は、このような水はけの悪さが関係しているかもしれません

2：苔を防ぐために自分でできるお手入れ方法

外壁に苔が生えるのを防ぐためには、日ごろのお手入れがとても大切です。ここでは、ご家庭でできる簡単な対策を紹介します。「専門業者に頼むほどではないけど、少しでもキレイに保ちたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

1. ホースで軽く水洗いする

外壁の汚れや苔は、こまめに水で洗い流すことで予防が可能です。特に梅雨の時期や、湿気が多い日が続いた後などは、ホースを使って水をかけてあげるだけでも効果があります。
ただし、強い水圧をかけると塗装を傷める可能性があるため、やさしい水流で行うようにしましょう。

2. 柔らかいブラシでこする

少し頑固な苔には、柔らかいブラシやスポンジを使って手洗いする方法もあります。このとき、洗剤は中性洗剤を薄めたものがおすすめです。
ただし、あまりゴシゴシこすってしまうと、外壁の表面が傷ついてしまうこともありますので、優しくなでるように洗うのがポイントです。

3. 家の周囲の環境を見直す

苔の原因となる湿気は、家の周囲の環境から来ていることもあります。たとえば、植木や雑草が外壁の近くにあると湿気を呼びやすくなります。
こまめに剪定したり、風通しがよくなるように物を整理したりすると、湿度が下がり、苔の予防につながります。

4. 防苔スプレーを使う

市販されている「防苔（ぼうたい）スプレー」を使うのもひとつの方法です。外壁に噴霧することで、苔や藻の発生を抑える効果があります。ただし、スプレーによっては外壁の素材に合わないものもあるので、使用前に説明書をよく読み、目立たない場所で試すことをおすすめします。

自分でできるお手入れ方法は、こまめに行うことで外壁の寿命を延ばす効果があります。とはいえ、高所の作業や頑固な苔には危険がともなうため、無理をせず、必要に応じて専門業者に相談することも大切です。

3：専門業者による苔対策とメンテナンスの流れ

自分でお手入れするのが難しい場合や、すでに苔が広範囲に広がってしまっている場合には、専門業者による対応が安心です。ここでは、プロが行う苔対策の流れや、かかる費用の目安についてご紹介します。

費用の目安と施工期間

外壁の洗浄やコーティングにかかる費用は、家の広さや外壁の状態によって異なりますが、目安としては10万円～30万円程度です。高圧洗浄だけであれば、もう少し費用を抑えることも可能です。

※あくまで目安です　塗装内容によって大きく価格が変動します

4：外壁塗装で苔の発生を根本から防ぐ方法

苔の発生を防ぐには、表面的な洗浄だけでなく、外壁塗装による根本的な対策も非常に効果的です。特に、築年数が10年以上経っている住宅や、すでに外壁の塗膜が劣化している場合は、塗装によるリフォームを検討することで、長期間にわたって清潔な状態を保つことができます。

① 防藻・防カビ機能付き塗料を選ぶ

苔の再発防止には、次のような機能性塗料が有効です。

▼ 防藻・防カビに強い塗料の種類

📌 日当たりが悪い・湿気が多い家ほど効果が大きい塗料です。

② 下地処理（古い苔・汚れの除去）が超重要

塗装前の「下地処理」がしっかりしていないと、

どんな高性能塗料を使っても数年で苔が再発します。

📌 下地が整っていないと → 塗膜剥がれ → 水を吸う → 苔が再発

③ メンテナンスサイクルを正しく設定する

外壁塗装は一度やれば終わりではなく、塗料の寿命に合わせて定期的な塗り替えが必要です。

▼ 塗り替えの目安

📌 塗膜が劣化すると、水分を吸いやすくなり苔が発生しやすくなります。

④ 外壁塗装の費用目安

防藻・防カビ塗料を使った塗装の費用は次の通りです。

※あくまで目安です　塗装内容によって大きく価格が変動します

費用は

によって変動します。

5：信頼できる業者選びのポイントとは？

外壁の苔対策や塗装工事を成功させるには、信頼できる業者選びが非常に大切です。価格やサービス内容に違いがあるだけでなく、施工の丁寧さやアフターフォローの充実度にも差が出るため、慎重に選ぶことが失敗しない秘訣です。

1. 地元での実績がある業者を選ぶ

まず注目したいのは、「地元での施工実績が豊富な業者」です。地域の気候や住宅事情をよく知っている業者は、その地域に合った塗料や施工方法を提案してくれます。
また、近隣の施工例を見ることができれば、仕上がりのイメージも湧きやすく安心です。

2. 無料相談・見積もりがあるかを確認

良心的な業者は、無料で現地調査や見積もりをしてくれることが一般的です。この際、質問に丁寧に答えてくれるか、内容をわかりやすく説明してくれるかがポイントです。強引な営業や、説明があいまいな業者は避けた方が安心です。

3. 保証やアフターサービスがあるか

施工後に万が一不具合が出た場合に備えて、保証制度やアフターサービスがしっかりしている業者を選びましょう。たとえば、「施工から5年間は無料で補修対応」などの明確な保証があると、施工後も安心して過ごせます。

4. 資格や登録があるか確認する

外壁塗装の業者の中には、資格を持たずに営業しているケースもあります。
「建設業許可」や「塗装技能士」といった国家資格・登録がある業者は、技術や知識の面でも安心できます。また、「リフォーム業者紹介サイト」などで口コミや評価を確認するのもよい方法です。

5. 複数の業者を比較する

1社だけで決めてしまうのではなく、最低でも2〜3社から見積もりを取ることをおすすめします。金額だけでなく、対応の丁寧さや説明の分かりやすさも比較材料にしましょう。相場とかけ離れた安さを提示してくる業者には、手抜き工事のリスクもあるため注意が必要です。

外壁の苔をしっかり防ぐためには、施工の質が大きく影響します。だからこそ、安心して任せられる業者選びが何よりも重要です。信頼できるパートナーを見つけて、大切な家を長く守っていきましょう。

6：まとめ｜苔対策は早めの行動と適切なメンテナンスがカギ

外壁の苔は、日当たり・風通し・塗膜の劣化など、身近な環境が原因で発生します。放置すると見た目が悪くなるだけでなく、外壁の寿命を縮めてしまうこともあるため、早めに気づいて対処することが大切です。

自分でできる対策としては、

などがありますが、広範囲の苔や高所作業は無理をせず、専門業者に任せるのが安心です。

また、外壁塗装による根本的な対策も効果的です。防藻・防カビ塗料の使用や丁寧な下地処理によって、苔の再発を長期間防ぐことができます。

さらに、失敗しないためには業者選びも重要です。地域での実績・説明の丁寧さ・保証内容を確認し、複数の見積もりを比較して納得のいく施工を選びましょう。

家は大切な家族を守る場所です。
外壁の小さな苔にも早めに気づき、定期的なメンテナンスで家の健康を長く守っていきましょう。